1/12スケールの人型可動モデルという点でFAガールと類似しつつも、原型師 ”浅井真紀”氏による汎用型素体”マシニーカ”をベースに独自の展開をみせるメガミデバイスシリーズから。
今回のコトフェスにおける一般からのメガミデバイス作品は、FAガールの作品数が膨大であったのに比べると少しおとなしい印象でしたが、品質の高いキットに魅力的なデザインということもあって確実にコアなファンからの支持を集めているといった印象でした。個人的にも第二弾のSOLシリーズに興味をもったのでホーネットを購入して一通りの工作を終えた状態ですが、今回もらったモチベーションを利用して塗装してあげないと。
メガミデバイスからは、シリーズ第7・8弾の新作キットの展示も用意されていたので、記事内にて後程取り上げます。
ーフレーム・アームズ ー
コトブキヤブランドの元祖代表格でもあるフレーム・アームズの展示より。
自由度の高いフレームアームズでは、M.S.G他のオプションパーツ等も効果的に流用しながら非常にセンスのいいオリジナル作例が一般からもたくさん持ち込まれており、見ごたえのあるものでした。TINAMI等のネット上での企画で参加されていた作品も集まっていたようです。本ジャンルのモデラーさんの中には、電飾を得意にされている方の他、デカールの配置の上手い方も多くて、その点も刺激的でした。触発されてバルチャーを買っちゃってるので、その内組んでみよう。
―コラボレーション作品展示 ―
会場では一般の持ち込み作品の他に、社内製作の作例見本の展示コーナーも設けられていました。ハイセンスなパーツの組み合わせは元より、個人で製作するにはちょっと高額すぎる上に未発売の新作キットも組み込んだぶっとんだ作例も紹介されていたりして、その点でも見物でした。
ブランドとしてはまだ若い「ヘキサギア」の魅力を前面に押し出した作例が、比率高めで配置されていた印象でした。動物をモチーフにしているデザインも見受けられるヘキサギアですが、ゾイドシリーズでもクオリティの高いキットを手掛けているメーカーということもあって、自社ブランドの他のコンテンツと異なった角度から攻めてるなぁ…と。レイブレード・インパルスはそのカッコよさに、まんまと初版を予約してしまい実際に組んでも見ましたが、構成を知ったうえで展示作品を見てみるとパーツの使い方が実に巧妙であることが見て取れて、興味深くかつ大変参考になるところでした。
― 新製品コーナー ―
会場入り口近くでは新作の展示コーナーが設けられていました。
メガハウスのデスクトップアーミーから。同業他社間でのコラボレーションが多い印象のあるコトブキヤさんですが、軽いフットワークで互いのフィードバックがあるところは良さそう。個人的には、メガハウスからの逆輸入の”FAガール シルフィ”も期待。
コトフェスのタイミングでは、ちょうど発売直前となるメガミデバイス5・6弾 朱羅シリーズの製品版の展示。年末の仕事の関係で受け取れず仕舞いでしたが、12/28にウチにも忍者 x4が到着予定。
新作の7・8弾は、ワンフェス2017夏で確認出来た時はサフ状態でしたが、今回は彩色版が展示されていました。エフェクトパーツの汎用性も気になるところですが、フレッシュカラーのボディパーツ目当てでも人気が出そう。
さらにメガミデバイス新作の告知。冬のワンフェスで詳細なアナウンスがありそう。無念ながら時間の都合で参加できなかった「メガミデバイス トークショー」ではSOLシリーズの3作目という話も聞かれたそうですが、前2作との拡張性等についても気になるところです。
※トークショーへの参加が出来なかった方向けに、コトブキヤさんから当日(12/24)の座談会の様子がyoutubeで12/28からUPされているようですので、チェックしてみるといいかも。
ー アンケート ー
3Fフロア会場前でのアンケートの様子。10台近くのパッドが用意されていて、1台を選んで質問に答えていく形式でした。基本選択式ですが、qwertyキーで打ち込む欄も存在するので、PCユーザーを想定していそうな印象でした。
今回のようなアンケート参加は初めてでしたが、ホテルの宿泊の際にもデジタイザーペンでパッドにサインするようなこともあるので、昨今のデジタル化は何だか進歩が速いです。
アンケート欄にはもちろん、「アニメFAガール2期希望!」と推しておきました。
三多摩デジタルLABOによる射出成型機のワークショップコーナー。2016年にもコトブキヤ自社作製の射出機をつかった立体造形の実演があったそうですが、今回は「株式会社 オリジナルマインド」が販売する手動射出成型機
“ INARI”について、操作を含めての実地体験会が開かれていました。
待機列より。3台を投入しての体験会でしたが、開場の入り口を越えて列が出来るくらいに盛況でした。レバーを上げた、射出操作前のINARIが見えています。240は、設定してある溶融温度のようです。
射出成形機のアクセサリーや材料、成形品の展示。使用されていたのはクリアペレットでしたが、この辺はプラモデルの工業生産とよく似ていますね。
向かって左のシリンダーで型を本体に固定。右にペレットの投入口。
ペレットの注入には、なんかお好み焼き屋で見かけるソースやマヨネーズ用のディスペンサータイプの容器を使用していました。
数十秒ほどでペレットが溶解。試射で実際に流れて出ているところ。流動性が高まって、ドロドロの状態です。
実際に使用する型を見せて頂きました。今回使用して下さった型自体は、3Dデジタルモデリングで成形されたものとのこと。設計段階で、締め用の金属ボルトを組み込めるようにしているようです。六角レンチやドリルで締め上げて嵌合されていました。
生産する複製品の数や素材に応じて、耐久度別にアルミやチタン、アクリルの型等も仕様可能なのだとか。
ペレット量が不足するともちろん成形不良に。この時のレバー操作も抵抗感がほとんどありません。
ペレット量を増やして再度チャレンジ。パーツの容量を超えた分は、投入口から少しあふれ出すようです。
型を展開。綺麗な成形品が完成しました。今回は
①
「ヘキサギア ガンブレード」の拡大モデル(FAガール / メガミデバイス等に対応)
②
「ヘヴィ ウェポンユニット12 ガンブレードランス」の縮小モデル(ヘキサギア 対応)
の二種類選択可能でしたが、繰り返しの射出操作で②の成形不良が起こりやすくなっているとのことで①で体験させて頂きました。
クリア成形品ながら気泡を噛んでいる様子もなく、軽量に仕上がることも含めて非常に魅力的なツールでした。待機は一日目中央列の最後尾となりましたが、大勢の方を相手にされているにも関わらず担当の方が最後まで活き活きとした感じで解説しているのが伝わってくるのが非常に好印象でした。実用度の高いパーツで非売品ともなると興味深い体験と合わせて良い記念になるので、次回以降のイベントでも是非継続されて欲しいですね。
― ジオラマコーナー ―
とうことで、迅雷ちゃんに記念撮影してもらってきました。
タイルに落ちた残骸やホコリの表現、換気口等細部に至るまでカリスマモデラーのワザを感じるジオラマでしたが、背景として撮影させて頂けちゃうのはなんとも貴重な機会でした。
ーコトフェスに参加してみて…ー
「12月はまるっと祭り」ということで、4週に続いて行われたコトフェス。展示・交流会として人の入りも引っ切り無しで、多くの模型ファンを賑わせていました。
一日に3度程登場するコトブキヤのマスコット、「アーキテクトマン」。今回初めて実物を拝むことが出来ました。シーズン柄、MSGをプレゼントとして運ぶサンタさんなのね。
アーキテクトマンがイベント進行の中でとるポージングはかなりテンポの良いもので、ファンの熱い視線を独り占めしていましたw
2Fフロアのショップでお買い物した限定特典、射出成型品のアーキテクトマンをもらってご満悦の迅雷ちゃん。ファン感謝祭的な側面も強い本イベントで、スタッフの方ともお話しさせてもらえる機会もあったりしてメーカーとユーザーとの関係を考えてみる、良い社会科見学にもなった気がします。
遠方ゆえに、本店でしか開催されないコトフェスへの参加が難しかったファンの方も多くいたかと思います。実現は容易では無いと思いますが、コトフェス当日に複数の店舗を含めた作品展示の同時開催や、SNSへの作品投稿なんかあるとコトブキヤ ファン間での広がりも期待できるかもしれませんね。
最後に、撮影させて頂きましたモデラー、フェス参加者や、スタッフ関係者の皆さま、当日は大変ありがとうございました。ではでは。