夏の写真を掲載し切っていないのですが、今回は秋の話題です。
去る9/16・17で開催された福井県丸岡町長畝(のうね)地区の秋の神事、「日向(ひゅうが)神楽」を見物してきました。明治に入って廃藩置県の時に廃れてしまった同神事を有志が現在に受け継ぐ、県指定の無形民俗文化財です。
16日は夜神楽(宵宮)、17日が昼神楽(本祭)ですが、夜の方だけ参加。

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f4, 1/50, ISO3200, 20mm, CPL filter】
長畝の八幡神社(はちまん)神社へ。神戸六甲で暮らしていた関係でつい「やわた」と呼んじゃいますが、北陸は「はちまん」ですね。
【祝詞~一同参拝】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/200, ISO1600, 17mm, CPL filter】
最初は、演者・奏者全員で神前へお祈りを捧げるところから始まります。夜神楽は19時から始まって2時間程と、結構長丁場です。奉納される神楽は、「天の岩戸」の故事がそのまま筋書きとなっているとのこと。夜神楽で岩戸に隠れてしまった天照大御神が再び姿を現すところまで、昼神楽で光の戻った活気ある世界を演目とするようです。神話のイベント通り、タイムコースを合わせる演出は秀逸だと思いました。
【散米】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/100, ISO500, 30mm, CPL filter】
神楽の演目のタイムスケジュールや解説は、長畝日向神楽保存会で詳細を記したパンフレットが発刊されているようです。Web上でPDFが見つけられませんでしたが、市議会議員さんがblogでアップロードされているようなので参考にすると良いと思います。
https://blog.goo.ne.jp/yoshihiko1743/e/bf48662037de484b112b4bb8a1440180

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/400, ISO1600, 27mm, CPL filter】
最初の舞は「散米」。舞台である神殿にて、収穫された米を撒いてお清めを行います。伝統芸能を担う若手後進の、練習成果披露の側面もあるようです。
二人の息の合った舞が、この上なく見事でした。まるでスケートリンクを滑るように後方に退く動作や…

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/400, ISO1600, 28(42)mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/400, ISO1600, 27mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/400, ISO1600, 20mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635, f2.8, 1/400, ISO1600, 20mm, CPL filter】
片足を上げてお互いに逆回転してピタッと急停止し、見合う動作も見ていて小気味良い。

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/60, ISO200, 22mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/80, ISO200, 30mm, CPL filter】
散米の由縁、三方より掴んだ米を繰り返しまき散らします。

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/80, ISO200, 18(27)mm, CPL filter】
景気よくまき散らした後に、三方を掲げながら動きの激しい舞に。

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/80, ISO200, 18(27)mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/80, ISO200, 18(27)mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/80, ISO200, 18(27)mm, CPL filter】
今回の撮影ではスピードライト持って行って、後幕シンクロを何回か試しているのですが、なんとも難しかった。スピードライトが無くても、シャッタースピードを少し遅くするだけでも動きのある写真は撮れたのかも。
【剣】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/125, ISO640, 20mm, CPL filter】
続いて、悪魔祓いの舞。始めは榊を携えての踊りですが、後半は太刀を抜いての剣舞が行われます。これも長めの演目で、夜とは言え高い気温の中、演じ切る舞手の持久力には舌を巻くばかりでした。

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/80, ISO640, 17mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/15, ISO200, 17(25)mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/15, ISO200, 24(36)mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/160, ISO1600, 16mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/15, ISO200, 24mm, CPL filter】
抜刀後の舞でも、それほど太刀を振り回す印象は無く、縦に保ち続けながら舞うといった印象でした。
【戸取】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL70200G, f2.8, 1/320, ISO3200, 70mm, CPL filter, trimming】
この戸取、を挟んで天之手力男が二回登場。戸取は、天の岩戸をこじあける場面を言うようです。開けるのはもちろん、手力男。被る面こそ違いますが、こちらで演じられているのも本質は手力男、だと思われます。

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/320, ISO3200, 150mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/15, ISO200, 30(45)mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/500, ISO3200, 26(39)mm, CPL filter】
屏風を天の岩戸に見立て、重そうな動作でこじ開けて行きます。ここに至るまで、緩慢で神妙な舞が続くので、観覧している側には「ようやく開いた」といったカタルシスを感じる部分でもありました。

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/500, ISO3200, 26(39)mm, CPL filter, trimming】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/500, ISO3200, 26(39)mm, CPL filter, trimming】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/500, ISO3200, 35(52)mm, CPL filter, trimming】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/500, ISO3200, 35(52)mm, CPL filter, trimming】
長かった。やっと開いたよ…。
日と月を携えた、天照大御神が顕現します。戸取はそそくさと舞台入り口に帰って行きました。
【手力雄】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/500, ISO3200, 35(52)mm, CPL filter, trimming】
手力雄の登場。ブレブレですけど、勢いがあったので掲載しておきます。

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/500, ISO3200, 28(42)mm, CPL filter】
岩戸より、天照大御神を天ノ手力男が引きずり出すシーン。実際には、天照大御神の両手を携えて、ものすごく紳士的に、まるで舞踏会でもしているかのようなユーモアのある踊りでした。
【眞ノ舞】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/500, ISO3200, 35(52)mm, CPL filter, trimming】
天の岩戸を出た、女神「天照大御神」による舞が行われます。優美でしなやかな舞を演じられたのは怜音さんという若手の男性の様ですが、こちらも小さい頃から演じてこられた神楽舞の担い手のようです。

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/500, ISO3200, 35(52)mm, CPL filter, trimming】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f2.8, 1/500, ISO3200, 35(52)mm, CPL filter, trimming】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL70200G, f2.8, 1/400, ISO3200,100mm, CPL filter, trimming】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL70200G, f2.8, 1/400, ISO3200,75mm, CPL filter】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z2, f2.8, 1/500, ISO3200, 35(52)mm, CPL filter, trimming】
【獅子】

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL70200G, f2.8, 1/250, ISO3200,70mm, CPL filter】
最後は、獅子頭を被った舞手が後見人の携えた榊を取って荒ぶる、余興の舞です。
榊はすんなりとは手に入らず、しくじっては地面を這うような動作が繰り返されます。こんな愛らしさを感じる獅子舞は、初めてでした。

【α7Ⅲ+ LA-EA3+ SAL1635Z, f4, 1/50, ISO3200, 17mm, CPL filter, trimming】
宮崎県は高千穂にも天の岩戸を題材にする「高千穂神楽」がありますが、日向(宮崎)の地で舞われた神楽は、延岡城主であった有馬清純が丸岡に移封された際にもたらされ、現在に伝わっているようです。
舞手の練度も高く格調高い神楽ですが、神殿を囲んで地元の方が見守る、こぢんまりとした中に「日本の古里」を感じさせる雰囲気がありました。この素晴らしい祭事を、全国区で有名になって欲しいという気持ちと共に、有名になっちゃうと人が集まってしまい、今の雰囲気を楽しめない。そんな我儘なジレンマを思いながら、境内を後にしました。
来年は昼神楽、是非見たいものです。
撮影日 2023/09/16
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